「飲む点滴」という言葉を耳にしたことありませんか?
「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれる甘酒。最近はコンビニでも見かけるようになり、1年を通して手軽に買えるようになりました。美容効果が注目され、女性に高い人気の甘酒ですが、実は幅広い世代の方におススメの飲み物なのです。
今回は愛飲歴5年の筆者が甘酒の魅力をお伝えしたいと思います。

甘酒は冬の飲み物ではなかった

甘酒と聞くとどのようなイメージでしょうか。お正月に、神社の境内でふるまわれる光景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今では冬の飲み物というイメージが強い甘酒ですが、江戸時代には夏バテ予防として夏に人気の飲み物だったのです。甘酒売りが街中を売り歩く姿は夏の風物詩でした。俳句でも甘酒は「夏の季語」となっています。

甘酒が夏バテに効く!?
飲む点滴と呼ばれる理由とは!?

なぜ夏バテに効果があるのか。その理由は、甘酒に含まれる豊富な栄養素にあります。
甘酒には、ブドウ糖・アミノ酸・ビタミンB群・ミネラル・食物繊維・オリゴ糖といった多くの栄養素が含まれています。これらの栄養成分、実は栄養点滴の成分とほぼ同じなのです!!これが、甘酒が「飲む点滴」と呼ばれる理由です。栄養価が高く、さらに麹の酵素作用には栄養の消化吸収を助けてくれる働きもあるので、暑さで胃腸が弱り、食欲も低下しやすい夏のエネルギー補給に甘酒が効果的なのです。

夏バテだけじゃない、嬉しい効果がもりだくさん

甘酒の効果は夏バテの予防だけではありません。豊富な栄養素のおかげで嬉しい効果がたくさんあります。

1.腸内環境改善効果

オリゴ糖や食物繊維が腸内の善玉菌を増やすので、腸内環境の改善に効果的です。腸内環境を整えるので、便秘の予防・解消も期待できます。さらに、麹菌は死骸となっても善玉菌の餌となるので、腸内活動の改善を助けてくれます。
腸内環境が整うと、免疫力アップも見込めます。これからの季節、花粉症に悩まされる方も多いと思いますが、症状の軽減に甘酒が役立つかもしれません。

2.疲労回復効果

血糖値が低下するとエネルギーの補給ができなくなり、体は疲労状態となります。甘酒に多く含まれるブドウ糖は脳のエネルギーの源です。ブドウ糖は分子構造が砂糖より小さいため、体内に吸収されるとすぐにエネルギーに変わるので、すばやい疲労回復に役立ちます。
さらに、アミノ酸・ビタミンB群などといった栄養素も代謝や疲労回復を助けてくれます。

3.美肌効果

ビタミンB群が代謝を助け、肌の細胞を活性化させてくれます。また、米麹に含まれるコウジ酸はシミの原因となるメラニンの生成を抑制する作用もあるので美白効果も期待できます。
その他にも、ビタミンC・アミノ酸・ビオチンといった、美肌に効果があるとされる栄養素も甘酒には含まれています。

4.ダイエット効果

ダイエットでは、脂肪の代謝=脂肪燃焼が重要となります。
甘酒には、脂肪燃焼効果を持つビタミンB群や内臓の働きを活発にするアミノ酸、消化機能を助け代謝をアップさせる酵素・リパーゼなど、ダイエットに嬉しい成分がたくさん含まれています。
またブドウ糖が血糖値を上昇させ満腹中枢を刺激するので、少量でも満腹感を得られます。

いつ飲むのが一番効果的?効果にあわせた飲み方を

甘酒の効果を最大に発揮するには、いつ飲むのがよいのでしょうか。どの効果を重視するかによって、おすすめの摂取時間は異なります。

ダイエット効果重視の人は・・・朝

朝に甘酒を飲むと、ブドウ糖が脳を目覚めさせてくれます。腸の動きが活発となり、基礎代謝もアップするので、カロリー消費がしやすい状態になります。朝食の代わりにしたり、朝食前に飲んで食事量を減らしたりするとよいでしょう。また、甘いものが欲しくなった時や、小腹が空いた時の間食にも適しています。

疲労回復重視の方は・・・寝る前

疲労回復効果を求めたい方は、寝る前に人肌に温めた甘酒を飲むのが効果的です。飲んで一時的に体温が上がり、下がっていく時に寝つきやすい状態になります。アミノ酸は疲労回復に効果がありますが、なかでもアミノ酸の一種であるGABAには脳の神経細胞の興奮を抑える働きがあるので、ストレスによる緊張や不安、イライラを抑えてくれます。

甘酒の種類と飲みすぎに注意

甘酒は2種類あることをご存知でしょうか。
米と米麹から作る麹甘酒と、酒粕と砂糖から作る酒粕甘酒とありますが、おススメなのは麹甘酒です。酒粕甘酒には微量のアルコール分が含まれていますし、砂糖を加えているため、麹甘酒よりカロリーも高くなるので注意です。
麹甘酒も100gあたり約81kcalと、他の飲料に比べてカロリーは高めになりますので、飲みすぎには注意が必要です。1日に200ml程度が目安です。

スーパーやコンビニでも手に入る甘酒。市販の甘酒を購入する際は、加糖・加熱処理されていない麹甘酒を選ぶようにしましょう。甘酒の味が苦手という方は、牛乳や豆乳で割ったり、ヨーグルトに入れたりと工夫してもよいかもしれません。
みなさんも、無理なく、おいしく、甘酒効果を実感してみてはいかがでしょうか。

関連する記事を読む
<一覧に戻る