貯蓄ではお金が殖えない時代

ゆうちょ銀行の「定額貯金」という貯蓄商品があります。半年複利で利息が計算され10年で満期になる貯金です。いまから二十数年前は、100万円預けると10年後の満期時には180万円ほどで返ってきました(当時の利率:6.33%)。これほど殖えてくれれば『資産運用』なんて、全く考える必要なんかありません。しかし、今の金利では、10年で797円の利息。貯蓄ではお金が殖えない時代なのです。

インフレが家計を襲う

『インフレ』とはインフレーションの略で、モノの値段が上がることをいいます。 モノの値段が上がれば、当然、同じお金で買えるモノの量が減ります。わかりやすく例えると、1リットル100円のガソリンが150円に値上がりすれば、1000円で10リットル給油できたものが、6.6リットルしか給油できなくなるということです。


※出所:内閣府「国民生活白書」(2006年版)のデータを基に東海東京証券が作成
日本ではかつて1970年からの約30年間でモノの値段が約3倍になりました。しかしその時代は高度経済成長の時代で、給与もどんどん殖え、金利も高かったため、貯金もどんどん殖えていたため、モノが買えなくなることはありませんでした。

日銀は今、金融緩和政策をとり、意図的にインフレを起こそうとしています。適度なインフレは経済の活性化に繋がると考えるからです。しかし、インフレだけが起こり、思うように経済が活性化されなかった場合、給与は上がらず、貯金も殖えず、モノの値段だけが上がるという、家計にとってとても都合の悪い状態が起こり得るのです。

年金だけでは不安な時代

出所:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(速報版)」(平成25年度)、
厚生労働省「平成26年度の年金額(夫婦2人の標準的な年金額)」等のデータを基に東海東京証券が作成
何十年も真面目に会社を勤め上げたのですから、定年退職後は充実した生活を送りたいですね。定年退職後、「こう生きたい」という理想をアンケート調査したところ、「趣味に打ち込みたい」「海外旅行に行きたい」などいろいろな理想の生活が聞き取れました。これらを「見える化」し金額に置き換えると。1ヶ月に約35万円ほど必要という結果になりました。これに対して公的年金の受取額は約22万円ほど。約13万円不足するという現実が見えてきます。不足分を補うにはそれまでの蓄えに頼るほかありません。ちょっと不安ですね。

人生は思ったより長い

出所:厚生労働省「平成25年簡易生命表」のデータを基に東海東京証券が作成
かつては退職後のことを「老後」などと呼んでいましたが、年々長生きになり、今では60歳の平均余命は男性約23年、女性約28年となっています。奥様の分も考えれば、定年退職後約30年人生が残っているということです。会社生活が約40年であることを考えれば、これはもう「老後」ではなく「第二の人生(セカンドライフ)」なのです。

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