焼物を趣味でやっているお客様からちょっと面白い話を聞きました。多治見とお酒を愛する私としては大変興味深い内容です。
曰く「江戸時代、美濃焼徳利は多治見から美濃太田に運ばれ、そこから木曽川の海運を利用して桑名まで運ばれたんだよ。そこからは廻船であちこちへ。特に江戸で好まれたそうだ。江戸の酒文化を多治見は裏から支えていたんだよ。」
文献を漁ってみると、確かに美濃焼が多治見の多治見橋から馬車で可児市の今渡へ、そして桑名へ運ばれたと記してありました。
そんな歴史を感じながら、多治見~可児市~犬山~一宮~桑名まで、約100km、3日間かけて歩きました。
【1日目前半】多治見市内で土岐川にかけられた多治見橋から出発だ!

多治見からぶらぶら歩いて4時間。可児市今渡に到着しました。もう倒れそうだ~。桑名まで行けるかな~?
木曽川の船着場があったところが今渡らしい。きっとこの辺り海運に託したんだろうな~?今は橋がかかって難なく対岸の美濃加茂市へ渡れるが、江戸時代は中仙道の難所だったらしい。こんな句が美濃太田宿跡に掲げられていました。
「木曽のかけはし 太田で渡し、碓井峠がなくばよい」
【1日目後半】目指せ犬山!木曽川沿いをひたすら、ひたすら歩く

木曽川の勇壮な眺めに癒されながらただただ歩く。でも流石に炎天下くらくらする。自動販売機がない、コンビにもない。有るのは延々と続く道。
兎に角、今日の宿泊地、犬山を目指そう!
犬山城が見えた!
国宝犬山城!脚が痛い、もう歩けない。でもここまで来たんだ、犬山城に上ってみよう。
犬山城天守閣から今日歩いてきた木曽川上流を望む。よく歩いたな~。あちこち寄ったので約30Km!
道沿いのちょっとした風景~家庭菜園、洗濯物、ひなびたお寺、潰れたドライブイン、高山線の小さな踏み切り・・・なかなか味わいがあった30Kmでした。さあ宿で休もう。
【二日目】今日もひたすら歩き、国営木曽三川公園138タワーパークに到着

犬山からの木曽川沿いの道は雰囲気が変わる。国営公園や遊歩道が整備され市民の憩いの場になっている。写真は138タワーパーク
潰れた足の豆が痛い!もう限界だ~!昔の人は凄い健脚だったんだな~。
川べりで休んで一宮の宿を目指そう。
ふとした発見。舟木一夫生誕の地
尾西線沿いに歩いてひなびた(失礼!)駅 萩原に到着。脚を引きずりながらぶらぶらしていると「舟木一夫」ゆかりの地との看板が。彼が愛知の高校生だったと聞いたことがあるが、この地だったんだ。
ここで「高校3年生」を迎えたのかな? さあ、一宮の宿で休もう。
【最終日】目指せ桑名
豆が潰れて血が出てきた。でも体内モルヒネも出てきたためか意外と痛みは小さい。立ち止まると、再び歩き出すのに膨大なエネルギーと覚悟が必要だ。止まらずに少しずつ歩き続けよう。
何だか、僕の会社人生みたいだな。
木曽川沿いの愛西市はレンコン畑と水田が延々と広がっている。水がとても豊かで、そこかしこに亀とタニシがゆったりと生きている。
歩きとおしたぞ!100Km!桑名に到着!

長い散歩も終わりに近づいてきた。河口付近は木曽川・長良川・揖斐川が合流し川と言うより海のようだ。風が心地良い。
尾張大橋を渡って三重県へそして桑名駅に到着!もう無理です、歩けません。ビールが飲みたい!!
次は江戸の酒文化を探索に行くぞ~!!
