2019年10月1日より、消費税が10%に増税される予定です。軽減税率なる耳慣れない言葉も、巷でよく聞かれるようになりました。今回は、知っておいて損はない!税金についてお話ししたいと思います。消費税だけではなく、税金について気になっているがよく分からない…そんな思いを抱えている方は必見です!

考える

税金ってなんだろう?

税金について、みなさんはどういったイメージをお持ちでしょうか。
自分の給与から天引きされるもの?余分に取られるお金?
私たちが負担している税金には、所得税や消費税、相続税、贈与税など様々な種類があります。これほど多くの税金は、なぜ必要なのでしょうか。

それは、「みんなが豊かに安心して暮らしていくため」です。国や都道府県、市町村では、私たちが健康で文化的な生活を送るために個人では出来ない様々な仕事(公共サービス等)をしており、そのためには多くの費用が必要になります。その費用をみんなで出しあって負担しているのが税金なのです。

税金はいつからあるの?

諸説ありますが、中国の歴史書である『魏志倭人伝』には、女王卑弥呼が支配する『邪馬台国』ですでに税が納められていたと記されており、これが日本の税の最古の記録とされています。
また、飛鳥時代に行われた大化の改新では、公地公民(土地や人民を国家のものとすること)など、新しい政治の方針が示され、701年に完成した大宝律令では、租・庸・調という税や労役をかける税のしくみが既にできていました。
私たちのひいおじいさん、ひいおばあさんが産まれる前から確立された制度だったのですね。では、税金という制度があるのは、日本だけなのでしょうか。

どこの国も税金があるの?

世界の税金

すべての種類の税金が一切かからないという国は、ありません。
しかし、税金の種類によっては、日本と比べると税率が低いもしくは税金のない国や地域が存在します。それは、タックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる国や地域です。主要なタックスヘイブンとしては、カリブ海のケイマン諸島、イギリス領ヴァージン諸島、ルクセンブルクなどが挙げられます。

タックスヘイブンはなぜ、無税あるいは極めて低い税率であっても国として成り立っているのでしょうか。それは人口が少なく、かつ税収に代わる国家の収入が見込め、国民が生活できるだけの産業があるためです。一般的に人口が多い国では、教育や福祉等の公共サービスを充実させる必要があり、その結果として「税」という名目で国民に負担を課すことになります。しかし、いくら人口が少ないとはいえ、治安維持の観点から警察、消防等の行政サービスを行う必要があるため、最低限の公務員は必要となり国の歳入が全くゼロというわけにはいきません。

そこでタックスヘイブンでは、無税や治安がいい事などを宣伝材料として外国からの企業を誘致し、その登録手数料等の収入を得たり、関税等による税収を得たりするなどして資金を作り、国家運営を行っています。また、タックスヘイブンがリゾート地として発展している場合、国民の多くは観光産業に関連したホテル業や船舶業などの仕事から一定の給料を得て暮らすことができ、それにより国は補助金の支給等、国民のために多くの予算を使う必要がなく、結果として税率を低く抑えることが可能となります。

ほかの国の税金はどうなっているの?

最後に国別の税金について、消費税率を例にみてみましょう。
日本では1989年から「消費税」が導入されましたが、これと同じような税制はヨーロッパ諸国ではすでに「付加価値税」として導入されていました。「付加価値税」は現在、全世界100以上の国や地域で採用されています。

消費税の標準税率

こうして比べてみると、消費税率が20%以上の国がいくつも存在しています。
国ごとに税金の使い道が違うため、そういった国では医療費や教育費、介護費などを国が補償しすべて無料であったり、社会保障が充実しているようです。税率が高くても、正しく平等に使われいる国は国民の満足度が高いと言われています。

まとめ

国家予算、つまり国が使えるお金のほとんどは税金です。日本の場合税金がなければ、道路や鉄道、電気、水道、ガス等の公共インフラやライフラインは整備されず、さらに金銭トラブルや犯罪に巻き込まれたとしても、国は守ってくれないでしょう。
税金は、みんなが豊かに安心して暮らしていくために必要なものなのです。

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