「モノづくりあいち」の源流とも言える「からくり人形」。愛知県そこかしこに残る山車祭りでは、あっと驚くからくり人形が披露される。東海市太田祭りのからくり山車等は有名である。

自宅工房で創作に勤しむ山崎さん

また、愛知では9代目「玉屋庄兵衛」氏が今もからくりの創作を続けている。その玉屋庄兵衛氏にトヨタ自動車を定年退社した後、弟子入りしてからくり人形を学んだのが、元エンジン部の山崎津義さんだ。現在76歳。既に20体以上のからくり人形を創り上げた。「80歳まではやるぞ~」と元気一杯だ。
「世界からくりコンテスト」グランプリを獲得

山崎さん、なんと2005年の愛知万博「世界からくりコンテスト」では見事グランプリを獲得している。その作品は流鏑馬。馬上の上の人形が見事に三つの的を射落す秀作だ。
作品はトヨタ産業技術記念館にも展示されている。また、個展や地域の会合でお年寄りや子供たちに披露されいつも拍手喝采だ。からくり人形とエンジン部出身のトヨタOBはとっても良く親和する組み合わせだ。まるで豊田市のレオナルド・ダ・ビンチのようだ。
豊田市豊栄町の集い 「四季彩ふれあいまつり」

ものづくりとからくりの歴史を辿ると興味深い。
日本のレオナルド・ダ・ビンチと言われた大野弁吉(1801年~1870年)は有名なからくり「茶運び人形」を創り上げた。その後進の津田吉之助の息子の米次郎(1862年~1915年)は日本初の絹力織機を発明し専売特許を受けている。米次郎は自動織機を発明した豊田佐吉(1867年~1930年)と同時代を生きており、どこかでからくりの仕掛けについて熱い議論を交わしていたかも知れない、と想像するとモノづくりの歴史ロマンが広がるようだ。
からくり本とトヨタ

OB訪問スペシャル:トヨタ自動車OBとそのお仲間紹介
