ファンダメンタルズ分析で投資する株式を決めたら、次は「いつ」投資するかを決めます。株式は「より安く」購入し「より高く」売却すれば、売買益がより大きくなります。また、「より安く」買うことで、購入のために支払う金額が少なくなるわけですから、同じ配当金額に対して、少額の出資で済むため、利回りが大きくなります。
テクニカル分析はその売買のタイミングをはかる手法です。
トレンドを見る
株価のトレンドを分析するものとして代表的なのが「チャート分析」です。チャートは株価等の動きをグラフにしたもので、株価という数字の時系列を視覚的に表し、過去の動きを見やすくすることで、株価変動のクセを見つけ出し、売買の参考にしようというものです。基本のチャートは「ロウソク足(あし)チャート」というもので、一般的によく使われています。

株価のうち四本値(始値・高値・安値・終値)を、四角と線であらわしたもの。グラフの縦軸が株価、横軸が時間の推移です。始値と終値を四角の上辺・底辺で表し、始値<終値の場合は白四角で「陽線」と呼び、逆の場合は黒四角で「陰線」といいます。高値・安値は四角の上下に実線で表します。
形が「ロウソク(蝋燭)」に似ているため、「ロウソク状の図で表した株価の足取り」という意味で「ロウソク足」と言います。「ロウソク足チャート」で表わす株価推移はトレンドやその反転状況がとても見やすく、頼りになるグラフです。株価推移の波形やロウソクの形によって、「買い」「売り」「待ち」を判断します。1日ごとの株価推移を並べたものを「日足(ひあし)」、1週間・1ヵ月・1年ごとに並べたものをそれぞれ「週足(ひあし)」「月足(つきあし)」「年足(ねんあし)」と言います。
買われすぎ、売られすぎを見る
株式は投資家からの「買い」と「売り」の注文で価格形成されます。「買い」が多ければ値上がりし、「売り」が多ければ値下がりします。企業の業績やその他さまざまなニュースなどによって「買い」や「売り」が集中することがあり、短期的には「買われすぎ」「売られすぎ」の状態になることがあります。買う時にはより安く買いたいので、「売られすぎ」状態の時が理想です。「買われすぎ」「売られすぎ」を見る代表的な分析指標に、「移動平均線乖離」「サイコロジカルライン」があります。
●移動平均線乖離
移動平均とは過去のある一定期間の終値を単純平均したもので、その推移を線で表わしたものが移動平均線です。この移動平均線に比較して実際の株価が大きく乖離していれば「買われすぎ」「売られすぎ」と判断しようというのが、この分析の考え方です。
たとえば、ある銘柄は過去に何回も移動平均線から15%程度乖離すると反転しているのであれば、現在の乖離が仮に14%なら「そろそろ反転するかも」と考えられるわけです。平均をとる日数を変えることによって、短期~長期の判断材料とします。25日間の平均をとれば「25日移動平均線」、200日なら「200日移動平均線」と言います。
●サイコロジカルライン
上げ下げの日数の比率で、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断する手法です。「サイコロジカル」は「心理的な」という意味で、投資家の心理を読んで判断するという考え方です。過去12日間のうちで上昇した日数の比率で表します。一般的には75%以上を「買われすぎ」、25%以下を「売られすぎ」と判断します。
たとえば12日間で9日上昇、3日下落であれば「9勝3負」で9/12=75%⇒買われすぎ、と判断します。(前日比変わらずの場合は前日の状態が続いたと考え、前日が「勝」であればその日も「勝」と計算します)
これらのテクニカル指標で売買タイミングを計る際には、複数組み合わせて判断するようにしましょう。
また銘柄によってクセが異なりますので、それも加味して考えましょう。
次回は、「ローソク足チャート」をもう少し詳しく解説します。
