株式に投資するということは、その株式を発行する企業に投資するということです。したがって、その企業が投資に値する企業なのかどうかを見極める必要があります。
ファンダメンタルズ分析は、その企業や企業の置かれた環境を分析する方法です。
どうやって調べる?
株式市場で取引される企業は、様々な形で業績や今後の計画などを公表しています。その代表例が「有価証券報告書」で毎年決算後に公表されます。しかしながら、この「有価証券報告書」はとても専門的で、慣れないとなかなか読みこなせません。そこで投資家にとって強い味方なのが、「会社四季報(東洋経済)」「日経会社情報(日経新聞)」。株式分析のバイブルです。株式投資にかかわる指標や業績推移などをコンパクトにまとめ、しかもすべての株式が掲載されているので、とても便利です。お値段も手ごろで2,000円程度なので1冊あるととても助かります。
「会社四季報」や「日経会社情報」で気になる企業を探し、インターネットや証券会社のシンクタンクが発行しているその企業のレポートを読んだり、営業の人に相談してみたりして選んでいくといいでしょう。ただ、インターネットはとても便利ですが、真偽が不確かな情報も多いので注意してくださいね。
どんな指標を分析する?
企業を分析する方法や指標は数限りなくあり、全て調べていてはキリがありませんので、ここでは、代表的な指標を解説します。
<企業の健全性>
●自己資本比率
純資産に占める自己資本の割合。自己資本の反対は他人資本、自己資本が少なければ他人資本すなわち借入れに頼っていることになります。したがって、自己資本比率の高い企業はそれだけ健全と言え、一般的に40%以上が健全だと言われています。
●流動比率
流動資産を流動負債で割った比率。「流動」とは1年以内を意味します。したがって、1年以内に返さなければならない借金を、1年以内に換金できる資産で賄えるかどうかを表わす指標です。これも、高い方がよく、150%以上が理想と言われています。
<企業の収益性>
●ROE
Return On Equity の略。Equity(自己資本・株主資本)に対する純利益の割合。日本語では「自己資本利益率」と言います。株主によって投資された資本を効率よく使って利益を上げているかどうかを計る指標ですので、この指標が高い企業は「経営が上手」と言えるでしょう。
●ROA
Return On Asset の略。Asset(総資産)に対する純利益の割合。日本語では「総資産利益率」と言います。自己資本に借入れも含めたすべての資産を効率よく使って利益を上げているかどうかを計る指標です。この指標も高い企業は「経営が上手」と言えます。
<株価の割高割安>
●PBR
Price Book-value Ratioの略。Book-valueは直訳すると「帳簿価格」ですが、この場合は帳簿上の「純資産」の意味です。純資産に対し株価が何倍になっているかを分析する指標で日本語では「株価純資産倍率」と言います。「株価÷1株当たりの純資産」で計算され、1倍未満の場合、実際の企業資産より株価の方が安い状態を示しています。
●PER
Price Earnings Ratioの略。Earnings(収益)に対して株価は何倍になっているかを分析する指標で日本語では「株価収益率」と言います。「株価÷1株当たり利益」で計算されます。個別に何倍が適正というわけではなく、他企業と比べて「買われすぎ」「売られすぎ」などを見るときに使います。
今回はファンダメンタルズ分析と呼ばれる手法とその指標について簡単に解説しました。他にもたくさんの手法がありますので興味を持った方は研究してみてください。もちろん、今回挙げた指標だけでもずいぶん投資先の絞り込みができますよ。
次回はテクニカル分析について解説します。
