家族の夢のマイホームも決まり、金融機関の本審査も承認され、物件の受渡し日が決まったらあとは契約手続きを進めるだけです。
ここまできたら、ひと安心!あとは不動産・金融機関の担当者の指示通り契約関係書類の手続きを進めましょう。
念のため不動産売買契約書のなかの「ローン特約」条項の確認を
物件が決まったら不動産会社に手付金を支払い、不動産売買契約を締結しますが、契約書の中に「ローン特約条項」というものがありますので確認しましょう。
通常、住宅ローンの利用者には必須の特約で、万が一、住宅ローンの借入できなかった場合に、売買契約を白紙に戻すという特約です。白紙ですから、売買契約自体がなかったものとなり、支払った手付金も返してもらうことができます。
「ローン特約」には必ず、金融機関の名称や金利、返済方法などの条件を明記しなければいけませんが、不動産売買契約後に金融機関や金利などの条件を変更しなければならない時に備え、「最終的に利用する住宅ローンは、記載の住宅ローンにかかわらず、買主がその条件等において承諾するものに変更できるものとする。」といった一文を追加してもらうと良いでしょう。
融資の実行当日の一般的な流れ
融資承認が得られたら、金融機関と日程を決めて「金銭消費貸借契約」等の締結を行います。
この時点で、最終的に住宅ローンの種類や適用金利などが確定します。次に融資の実行予定日を決定しますが、ある程度余裕を持ったスケジュールを立てたほうが良いでしょう。
融資実行日は残金決済・引渡しの日を意味していますので、買主のみならず売主の日程調整も必要となります。当日は、必要書類、実印、銀行印鑑、通帳など忘れ物がないように!!
「残金決済・引渡し」の手続きは、買主の利用する金融機関の応接に関係者全員(売主、買主、司法書士、仲介を行う不動産会社の担当者など)が集まって手続きを行うのが一般的です。当日の手順は以下のような感じになります。
1.登記申請の手続き
(司法書士が所有権の移転登記や抵当権の設定登記などに必要な書類の確認をします。)
2.融資の実行依頼
(安全に権利の移転等ができると判断してから、住宅ローンの融資を実行してもらいます。また、支払先別に「振込依頼書」や「払出依頼書」などを記入して、預金通帳とともに銀行の担当者へ渡しておきます。)
3.残代金の支払い
(買主の預金口座へ融資金が振り込まれた直後に売主の指定口座へ振込により残代金の支払いを行うのが一般的です。)
4.諸費用の清算
(固定資産税や管理費等の清算、登記費用等の支払いを行います。)
5.書類等の原本受取
(売主から引き継ぐべき書類などを受け取ります。)
6.物件の引渡し
(売主から「鍵」を受け取ります。)
7.仲介手数料の支払い
(不動産会社が仲介している場合に支払います。)
特に問題が生じなければ、だいたい1~2時間程度でこれらすべて終わります。
通常は不動産会社の担当者がきちんと仕切ってくれますので、特に心配する必要はありません。
『住宅ローン控除』のために必ず確定申告を!
マイホーム購入には「住宅ローン控除」という、所得税の一部が戻ってくる制度がありますので必ず活用しましょう。
住宅ローン控除は、購入後10年間、年末の住宅ローン残高に1%(控除率)をかけた金額の所得税控除が受けられる制度です。所得税から控除しきれない額は住民税からも控除可能です。控除の対象となる「年末の住宅ローン残高」の上限は、消費税率により異なります。
・消費税5%の新築住宅等、または個人が売主の中古住宅は「2000万円」
・消費税8%の新築住宅等は「4000万円」
※住宅が長期優良住宅または低炭素住宅に認定されると、
上限が1000万円アップします。
例えば消費税8%の住宅の場合、1年間の最大控除額は「4000万円×1%」で40万円なので、10年間の最大控除額は400万円です。
なお、この制度が適用されるのは2021年12月31日までで、年収や住宅ローンの借入期間、購入する家の面積など一定の条件があります。
・自己居住のための住宅取得であること
・返済期間10年以上の住宅ローンを組んでいること
・対象の住宅の床面積は登記簿面積50m²以上で、半分以上を居住用にしていること
・取得後6カ月以内に入居し、引き続き住んでいること
・控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・中古住宅の場合は取得日時点で築20年以内(耐火建築物は築25年以内)。これより古い物件の場合、「耐震基準に適合していることが証明された住宅」であること。また2014年4月1日以降購入した住宅は「購入後に耐震改修工事を行って、現行の耐震基準に適合すると証明された住宅」も適用されます
・入居した年とその前後の2年ずつの5年間に、長期譲渡所得の課税の特例などを受けていないこと
住宅ローン控除を受けるには、会社勤めの方でも1回目は必ず確定申告が必要になります。必要な書類をそろえて、税務署に申告しましょう。2年目からは年末調整で対応できるので、確定申告は不要となります。
