マイホーム購入も決まり、家族の夢が実現する日も近くなってきましたら、具体的に住宅ローンの与信審査をすすめましょう!
住宅ローンの審査でマイホーム購入が夢に終わってしまわぬよう、ぜひ事前審査(仮審査)を!
「事前審査」とは、住宅ローンを正式に申し込む前に、申込者の返済能力などを最小限の情報から短期間に判断する審査です。物件の売買契約等を結ぶ前に申し込めるので、「住宅ローンが借りられそうか」を契約前に確認できます。1日~1週間程度で審査結果が連絡され、事前審査に通れば正式なローン申し込み(本審査)が案内されます。不動産業者と売買契約書等を交わした後に、正式にローンを申し込むと本審査が行われます。
「本審査」は金融機関と信用保証会社が行い、提出した書類に基づいて詳しく審査されます。また、担保物件や健康状態(団体信用生命保険加入のため)なども確認されます。審査期間は金融機関によって異なりますが、1~2週間程度が一般的。本審査に通ったら住宅ローンの借入契約手続きを行い、物件の引渡しと同時に借入れという流れになります。
返済能力が確認される「事前審査」
事前審査の申し込みは、購入物件が決まった段階で行います。審査には、契約金額や借入希望金額、返済期間、物件の所在地・面積・建物構造などの情報が必要です。
申込者の収入や資産に対して、その物件を購入することに無理がないか、きちんと返済できるのか、といった申込者本人の信用や返済能力に関する審査が中心です。
「その他の借り入れ(カードローンや自動車ローン等)」があると住宅ローンの返済にも影響するので借入状況も確認されます。金融機関が個人信用情報機関に照会して申込者の借入れや返済の状況などを確認することや、住宅ローンの申し込みや契約の情報が個人信用情報機関に登録されることへの同意が求められます。
一般的には以下の書類が必要です。場合によっては、追加で書類の提出が求められます。
・住宅ローン事前審査申込書
・本人確認書類(運転免許証・保険証など)
・収入を証明する書類(源泉徴収票や確定申告書など)・物件の資料
・他に借入れがある場合は、契約内容やローン残高がわかる書類 など
複数の金融機関に申し込みしてもいいの?
事前審査を申し込みしたからといって、その金融機関で必ず住宅ローンを借りなければならないというわけではありません。売買契約の後に改めてどの金融機関の住宅ローンを利用するか決めても良いのです。取引によっては、売買契約から住宅ローンの本申し込みまで期間が長いこともあり、ゆっくり住宅ローンの比較ができます。
また、事前申請の結果は本申し込みをした際に覆ることがまれにあります。本申し込み後は、より詳細な審査を金融機関が行うために、事前審査で承認をもらっていたのに本申し込みでは融資不可、融資金額の減額、融資期間の短縮をされることがあるのです。
そんな時、複数の金融機関に申し込んでおけば慌てずに済みます。
事前審査で判断される内容
住宅ローンの事前審査がどのような基準で判断されているかは、金融機関によって違います。また、審査内容もブラックボックスとなっており開示されません。一般的に審査項目として判断される要素としては、次のようなものがあげられます。
●借入希望額と年収のバランス
一般的にローンを組めるのは、年間返済額が年収の35%以内となる場合といわれています。この割合は金融機関等によって異なりますが、それ以上の重いローンを申し込むと返済能力が厳しいと判断され、ローン審査通過は難しくなります。
●住宅以外に組んでいるローン
他に自動車等の比較的多額のローンを組んでいる場合、またカードローンの額が大きい場合などは、年収面でクリアしていてもその分当然厳しい判断をされることになります。
●勤続年数
会社員等サラリーマンの場合、続けて何年その会社・団体に勤めているかということが問われます。目安は続けて3年以上、同じ会社かもしくは同系列の業種に勤めていれば、概ね問題はないようです。
●クレジットカードの支払い等の情報
上記に何も当てはまらないのに事前審査不可となった場合は、これまでのクレジットカードの使い方に問題があるかもしれません。
例えば、クレジットカードの引落としに間に合わず金額が引落とせなかった、という延滞情報は信用会社に5年ほど残るといわれています。1回であれば問題視されないこともありますが、複数のカードで複数回、延滞履歴が残っていると審査が厳しくなります。
また、クレジットカードを作るとキャッシング機能がついています。カードをたくさん持っていて、そのキャッシング可能額の合計が収入に照らし合わせてかなり高額の場合は、その額を将来借りる危険性ありと見られて審査で不可となる場合もあります。
普段からクレジットカードはなるべく使うものだけに整理し、使わないキャッシング機能は外しておいた方が良いですね。
●消費者金融での借金
消費者金融で借金がある、または過去に借金をしたことがある、という履歴は金融機関からは非常に厳しく見られるようです。過去の履歴は金融機関によってその判断もまちまちですから、完全に不可というわけではありませんが、そもそもローンを組もうという時点で消費者金融に借金が残っている人は、住宅購入を検討すべきなのかどうか、その辺から考えた方が良さそうです。
●その他
事前審査のときに問われない項目で、本審査では必要となってくるものに「健康状態」という要素があります。金融機関で住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険(以下「団信」)に加入することが義務付けられています。
団信に加入する際には、以下の内容を告知することが求められます。
・最近3ヶ月以内の医師の治療・投薬履歴
・過去3年以内の手術、2週間以上にわたる医師の治療・投薬履歴(具体的な病名記入あり)・手・足の欠損や機能障害、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能障害
これらの必要事項は正しく記入する必要があります。故意または重大な過失による虚偽の申請をすると、「告知義務違反」となり保険金は支払われず、脱退させられ、住宅ローンの全額返済を求められる可能性もあります。団信への加入は民間の金融機関で住宅ローンを組む場合、強制加入であり保険料は金融機関が支払います。そのため、この保険の審査に通らないと住宅ローン審査も通らない、ということになります。 そのため住宅を購入するまでの間は、ともかく健康でいることが何より大切となってきます。
なお金融機関によっては、団信への加入が任意の場合もあり、団信に加入できない人でも融資を受けることは可能です。しかしその際には、借入本人の万が一の事態に備えて、遺族救済のために何かしらの手立てを打っておく必要があります。
安定収入があり、余計な債務や借金、支払いの遅延がなく、健康であることが重要です。住宅ローンを借入れの必要な要素とは、簡単なようで実は意外と難しいことかもしれませんね!
