サラリーマン人生で最大の買い物、家族の夢、「マイホーム」。
皆さんマイホーム購入には、住宅ローンを活用しますよね!
しかし、住宅ローンの返済で苦労している話を良く聞きます。また、返済が滞り、マイホームを手放さなければならない事態になってしまった、なんてこともあるようです。
そこで今回は、この住宅ローンを「どうやって借りるの?」「いくらまで借りられるの?」「本当に返していけるかな?」など…心配ごとにアドバイスを!
住宅ローンの借入れの基本的な考え方、手続き、返済(借換え、繰上げ返済など)について、シリーズでわかりやすくご説明していきます。
第1回目のテーマは「自分はいくらまで借りられるのか?安心して返済できる金額はいくらか?」です。
自分はいくらまで借りられる?返せる?
そろそろ家族の夢マイホームが欲しい!!マンション派!一戸建て派!
購入物件が決まってから金融機関に行く前に、おおまかな購入・借入から借入れ返済までのイメージをもって物件探しをしましょう!!
”安心できる”住宅ローンの借り方・返し方とは、「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら返せるか」が重要です。ではどうやって安心して「返せるか」を判断するかというと、一般的にポイントは2つです。
「住宅ローンは安全に借りる」が基本です。通常、住宅ローンの返済期間は最長の35年で組むケースが多く、長く組むほど月々の支払いが軽くなります。しかし仮に30歳の人が35年返済で借りると、返し終える前に定年退職60歳を迎えてしまいます。
退職後は65歳から支給される公的年金以外に収入がなくなる人が多いので、退職までに完済できる返済期間で借りることを目標にしましょう!
返済期間を短く組めば、定年退職までに完済できて安心で、支払う利息が少なくて済むので総返済額を抑えることができます。しかし「ムリをしない」レベルでの話です。
そのため、月々の支払い額が妥当なのかどうかもしっかり確認しましょう!
ただしはじめから短く組みすぎると、万が一途中で返済が苦しくなった場合、あとで返済期間を長くするのは大変です。金融機関からの対応が厳しくなりますのでご注意を!
返済期間や金利が同じなら、住宅ローンの借入額が少ないほど月々の返済額は少なくなります。借入額を少なくするには、買う物件の価格を抑えるか、頭金を増やすかのどちらかです。
最近では、頭金不要フルローンで住宅ローンの審査がおりるケースもあるようですが、住宅価格のできれば2割~3割頭金が準備できると、より安心です。
頭金を用意するときに注意したいのは、お金が貯まるのを待つばかりに買いどきを逃してしまう事です。貯めている間に金利が上がってしまうこともありますので、親からの贈与を活用するなど早期に頭金を増やすことも重要です。
借入金額はどれくらいにするべきか?
住宅購入における予算計画の柱は、住宅ローンの借入額です。
「いくら借りられるか」がポイントになります。
ゆえに、先の「いくらのマイホームが買えるか」の答えは、「いくらの住宅ローンが借りられるか」。そして「いくらの頭金が出せるか」となってきます。
あなたの場合はいかがですか?
「いくら借りられるか」と尋ねられて、「いくらです」と答えられる人はごく僅かです。これこそ一度試算していないと答えられない数字です。ネットで借入返済シュミレーションを簡単に調べることができますので、是非活用してみて下さい!
一般的には「維持費も含めて今の家賃額程度に月間の支払いを抑えること」が無理のない返済のひとつの基準です。
毎月の家計収支(=収入-支出)から、いくらなら無理なく住宅ローン返済に充当できるか。この「毎月返済可能額」こそが、予算計画のベースとなります。
そこで、住宅ローンの借入金額は、返せる金額から計算した借りられる金額は同じではないことを良く理解しておく必要があります。
<試算例>
■借りられる金額…一般的に税込年収を基に計算することが多い(年収の5~7倍程度)
税込年収600万円で約6倍の場合、約3,600万円となります。
■返せる金額から計算した借りられる金額…手取り収入をベースに家計収支から試算する
可処分所得(手取り年収)が480万円(=600万円×80%)だとする。
ボーナスを除いた毎月の手取り収入が30万円。
住居費を除く基本生活費が15万円。
教育費の積立が2万円。
購入するマンションの管理費、積立金、駐車場、固定資産税が4万円。
緊急予備資金に2万円。
として試算すると、毎月の家計収支は7万円(=30万円-(15万円+2万円+4万円+2万円))が安心して返済できる金額です。
35年返済、金利2%で毎月返済額を7万円として全額住宅ローンに充当した場合、借入可能額は約2,100万円。
支出を見直して毎月返済額を9万円に増額できれば、借入可能額は約2,700万円。
いずれにしても、年収を基に試算した借りられる金額とは大きな差が生じてしまいます。これが実態です。
家計収支から借入可能額を試算するのではなく、年収から試算した金額で購入してしまうと、いかに危険であるかがおわかりになるかと思います。
また、この返せる金額から計算した借りられる金額での試算ケースでは、ボーナス増額返済を使っていないので、その分急な支出の際にも家計的に少し余裕が生まれているはずです。
「借りられる金額」は、将来にわたって「返し続けられる額」でなければならない。
いずれにせよ長期の視点からの安心できるライフプランニングが必要となってきます。
