子供の頃にあこがれていたトヨタ車といえば、セリカ2000GTがまず頭に浮かびますが、現在走っている勇姿を目にすることは残念ながらまずありません。
ところが、このクルマの大先輩であるトヨタのスポーツカーが未だバリバリの現役で活躍しているのをFacebookで見ました!トヨタスポーツ800「通称ヨタハチ」です。
小さくて可愛いけどかっこいい!キビキビ走って気持ち良さそうです。
通称「ヨタハチ」のオーナー杉山さん

実際に乗せて頂き、杉山さんが代表を務める「トヨタスポーツ800オーナーズ協議会」の活動など、いろいろな興味深いお話をお聞きしました。
杉山さん、有難うございました!
14万円で始まったヨタハチ物語
杉山さんは昔から大の車好き。高校時代、現役レーサーとのお付き合いもあったほど。高校の先輩にはあの伝説のレーサー「浮谷東次郎」がいたそうです。自ずとレースに興味を持ち自らもハンドルを駆るようになり、大学では勿論自動車部所属。そして卒業後はトヨタ自販に入社されました。
その時、同じ寮生が所有していた埃だらけのヨタハチを14万円で譲り受けたのが、杉山さんのヨタハチ物語の始まりです。
現在はトヨタスポーツ800オーナーズ協議会の代表に
時は流れ、現在トヨタスポーツ800オーナーズ協議会代表をされている杉山さん。トヨタスポーツ800生誕50周年協議会を立ち上げ、50周年イベントの取りまとめに東奔西走し、2015年には227名のオーナーと多くのクルマファンと共に盛大なイベントを開催されました。
その時に、一体どれくらいのヨタハチが現役で残っているのか、オーナー間の交流をどのような形で進めるか、そして補給されていない部品への対応をどうするか、いろいろな課題に仲間と一緒に取り組み、ヨタハチファンの輪を大きく広げられました。
その時の調査によれば、生産台数は3,057台、輸出455台、何と左ハンドル290台。
現在の国内生存車は約900台、海外では使用状況は不明なものの登録上は138台、と言うヨタハチワールドが浮かび上がってきたそうです。
ヨタハチの生産初年度は1965年!
1965年に初生産されたヨタハチ。何と今でも3台に1台が今も現役!オーナーに大切にされてきたことを物語る数字ですね。「ヨタハチ」と言う愛称で呼ばれている理由も良く分かります。
軽くて、水平対抗2気筒で低重心。そして卵のように丸っこくて空気抵抗が少ない。レースでも大活躍。何しろトヨタ車の歴史で「スポーツ」と名がついているのはこの車だけです。
杉山さんは、14万円で手に入れたヨタハチは結婚を機に一度手放し、その後海外駐在から戻った時にその100万円で買い戻したそうです。そして杉山さんのヨタハチ物語は今も続いています。
■海外沿いの道路を疾走する杉山さんのヨタハチ
■因みに1965年はこんな時代だった…
杉山さんの思い…
「クルマファン・ヨタハチファンが増えること」
ヨタハチがデビューした1965年前後は、カーガイにとってはエポックメイキング的な時代の様ですね。パブリカスポーツが1963年デビュー。あのトヨタ2000GTの登場が1967年。そして2000GTとほぼ時を同じくして、ホンダS600、コスモスポーツが若者の心を捉え、クルマ好きの若者に火がついた時代だったのですね。
そんな時代に青春を過ごした杉山さんは「オーナーが楽しむだけでなく、クルマファン、ヨタハチファンが増えること」を期待して、全国のヨタハチファンと共に様々な活動を続けられてきました。
次回はその一つ「トヨタスポーツ800生誕50周年イベント」や、トヨタスポーツ800オーナーズ協議会の社会貢献活動等をご紹介します。
OB訪問スペシャル:トヨタ自動車OBとそのお仲間紹介
