ペアローン

住宅ローンの、「ペアローン」をご存知ですか?

ペアローンとは

夫は大学時代の同級生。基本は“同等”、という気持ちでやっています。

結婚6年目、住宅購入の際には半分ずつ所有しようということで、費用負担も半分ずつにしました。
それまで家庭の支出の中で、家電など大きめの買い物や保育料などは夫が支払っており、私の貯蓄残高の方が高かったため私が頭金を支払い、その分住宅ローンを少なくしました。

冒頭の“気持ちでやっています”というのは、まだまだ社会の常識上、男性と女性は同じではない(育児休暇は母親がとるものだ、子どもが病気になったときにお迎えに行くのは母親が優先だ、など)ので、そこは意地になって反発することはしないで、生きやすい方法でやってきました。今後も、何らかの都合で仕事を続けられなくなった場合は私が優先的に辞めるだろう、ということで私の分のローンは少なめにしたのです。

さて、そこでペアローン。
ペアローンとは、同一物件に対して複数の債務者(借入人)がそれぞれローン契約を行い、複数人が連帯保証人になる借入方法です。
夫と私のそれぞれが住宅ローンを組み、それぞれのローンに対してそれぞれが債務を負い、お互いがローンの連帯保証人になりました。
別の住宅ローンを2本組む、と考えるとわかりやすいです。

ペアローンの特徴

■ それぞれの収入に対して限度額が決まる

■ それぞれのローンに対して事務手数料などがかかる

■ それぞれのローンに対して、住宅ローン控除が受けられる

■ 団体信用保険(団信)は、夫が死亡したら夫分だけ、妻が死亡したら妻の分だけ適用される

ペアローンの特徴として以上の4つが挙げられます。
世間一般的に、夫1人が住宅ローンを契約する場合が多いので、その場合と比較したメリット・デメリットは次のように考えられます。

メリット

1. 借入限度額が2人分の収入を合算して計算されるので、1人分の収入よりも上がる

2. 住宅ローン控除がそれぞれ受けられる

住宅ローン残高の最大1.0%の所得税、住民税の控除が10年間受けられる住宅ローン控除という制度があります。ペアローンでは住宅ローン契約を夫婦ともに行うため、夫婦ともに各自のローン残高に対して住宅ローン控除が受けられます。ペアローンを使えば共働き世帯の住宅ローン減税の控除枠を無駄なく使えます。

3. 団体信用保険(団信)が互いに利用できる

団信は住宅ローンの契約者が加入できる保険で、契約者が死亡したときに残りの住宅ローンが保険で完済されます。これも住宅ローン契約を夫婦各自で行うため、ペアローンの場合夫婦ともに団信が利用できることになります。
夫だけで住宅ローンを契約していると、妻が死亡した場合に夫の家事負担が重くなりますが、夫は今までどおりに仕事をしてローン返済をしていかなくてはなりません。ペアローンであれば妻分のローン返済はなくなります。

4. 金利プランや返済方法など、互いに異なる内容にできる

一人が固定金利、一人が変動金利、などと異なるプランを選択でき、リスク分散させることができます。

デメリット

1. 事務コストが2倍かかる

2. 団体信用保険(団信)を互いに利用していた場合に、半分の返済が残る

メリットの裏返しですが、夫が死亡した場合、夫分しかローンが完済されず、妻分は残ります。夫だけでローンを組む場合は、夫が死亡すればすべて完済されます。

よくも悪くも半分こです。

ペアローンの特徴をもう少し詳しく

住宅を購入したくなる時期、ちょうどいい物件と出会う時期、子どもを授かる時期、転勤と重なる時期、住宅ローン控除の期間・・・
なかなかこれらのタイミングを合わせるのは難しいと思います。
現在のところ、金銭的な損得としては、夫一本のほうがよかったのかもしれません。
私には損をしたかも?と思ったタイミングが2つありました。

1. 育児休暇

ローンを組んで2年目に育児休暇をとったため、私の年間収入が0となりました。税金の支払いもなく、結果控除もなくなりました。

2. 転勤

私が転勤したという事情があり、転居した場合は控除は受けられません。 

ただ、私の中では自分が所有している自宅と負担しているものがある、という事実がほしかったのです。
私が一人目を出産し仕事に復帰したとき、定時にはまだまだ仕事!という雰囲気の仲間がびっしりと席に座っており、そっと職場からフェードアウトしておりました。子どもを預けて定時の時間、会社で仕事をしようとするだけで本当に大変で、でもその大変さを口に出せば「じゃあ辞めればいいのでは。ご主人、仕事してるんでしょ」と言われかねない雰囲気でした。ささやかな抵抗として、心の中で「私もローンを組んでいるんだから」と言いたかった、という気持ちがありました。

まとめ

住宅ローンを組む際には、変動金利にするのか固定金利にするのか、ローンの期間はどうするのか、返済方法をどうするのかなどいろいろと決めることがあります。
お金の話は、「これがベスト!」と一つには限定できないものです。それぞれの人の価値観で納得できることを選んでいけるといいですね。
東海東京証券は、そんなお手伝いをしていきたいと考えています。

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