はじめまして。毎日外交で走り回っている元気証券マンです。
仕事柄、三河地区のトヨタ関係のお客様が多いため、地域のことをもっと知りたいと思って「豊田市平和リレー講座」に参加しました。
これは、平和への想いを次世代にリレーして行くため、「豊田市平和リレー講座実行委員会」の方々が企画してくれた、戦争跡地を巡るツアーです。今年(4月29日)で16回目となりました。訪れたところを3箇所紹介します。

B29墜落現場 豊田市松平町坂上町 現場への案内板

訪れた戦争跡地の一つが、1945年1月3日に名古屋ドッグを爆撃するために飛来し、日本軍の「飛燕」の体当たりを受けたB29の墜落現場です。王滝渓谷の近くですね。

機体が散乱した現場

米軍乗員10名が死亡、1名がパラシュートで脱出して松平の山林に降下して捕虜となりました。村人は死亡した10名を丁寧に荼毘にふしたとの事です。その時の村人のお1人(当時20歳のお嫁さん)は今もご存命で、「火の玉が落ちてきたのを良く覚えている」と仰っていました。
なお、体当たりした「飛燕」のパイロットは保見村篠原の山林に降下し重傷を負い翌日になくなられたそうです。

B29友好碑

後年、その乗員のお孫さんがこの地を訪れたそうです。そうした交流の想いが、「B29 友好碑」に込められています。地元の方々が、現場を整備してくれているおかげで、我々は今でも隠れた歴史に触れることが出来ます。感謝。

模擬原爆が投下された矢作川河川敷

1945年8月14日、トヨタの工場を爆撃した模擬原爆「パンプキン」と同じものが矢作川河川敷(豊田市戸合町)にも大音響とともに落下しました。超高温の鉄破片が民家を直撃し農家12戸が全焼しました。そうした被害状況を確認する為、豊田英二さんがバイクで近辺を走り回っていたそうです。
この当りは車から良く見ますが、そんな歴史があったんですね。全く知りませんでした。

B29友好碑

米軍のターゲットとなっていたトヨタの工場。その疎開先として現五ヶ丘東小学校近辺、「見晴らしの丘」バス停近辺が選ばれました。工機類が運び込まれたものの電気が通じず操業前に終戦を迎えたそうです。訪れた日はつつじが綺麗に咲きそろった素晴らしい天気でした。いつも心に安らぎを与えてくれた景色の中に、こんな隠れた歴史があったんですね。

普段何気なく通り過ぎていた景色の中の「隠れた歴史」、いわば癒された戦争の傷跡です。語り継ぐ方々が年々鬼籍に入られていく中、実行委員会の方々は平和への思いを込めて地道に活動を続けられています。

次回は8月20日(土)・21日(日)、豊田市産業文化センターで「第29回 豊田市平和を願う戦争展」があります。是非行ってみようと思います。

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